静かだなって思う。
風が吹いて、そのせいで葉が揺れてかさかさと音をたてる。
昼間で、太陽の光が眩し過ぎないで心地いい。
ボリスは目的の人が居るであろう場所に向かっていた。
こんな日には、彼女は必ず昼寝をしているはずだから。
遊園地内に見つけた絶好の昼寝ポイントで。
「やーっぱり。ここに居た」
は大きな木の根元に座り、背を木に預け眠っている。
その穏やかそうな表情のせいで、ちょっかい掛けられないでいるボリス。
木漏れ日に照らされるが持つ美しさ。
ボリスは隣に座り、の手を握る。
恋人同士がよくするような指と指を絡める繋ぎ方。
「・・・、・・・・」
「っ」
ボリスは顔を赤らめる。
繋いでいない方の手で顔を覆う。
いつもの彼らしからぬ動揺の仕方だ。
「反則・・・」
ボリスはの頭を自分の肩の方に倒し、自分もの方に頭を倒す。
すると眠気が襲ってくる。
天気のせいか、猫故か。
ゴーランドが二人を探しに来るまで、あと二時間。
指を絡めて、寄り添って