前略、雪が降りました。
「神子!雪だよ!」
「綺麗に積もったねー。白龍、朔と一緒に庭で遊ぼうか」
「うん!」
京邸は朝から賑やかだ。
理由は、雪が降ったから。
望美ちゃんや白龍は起きてすぐ、雪に気づいて朔を呼びに行った。
オレは布団の中で寒さに耐えるように温まろうとしている。
昔は雪が降ると朔と一緒にはしゃいだなぁと、思う。
こんなことを思う辺り、もう年なのかもしれない(まだまだだと思いたいけど)
「ねー、。雪が降ったんだって。行かないの?」
「・・・・・・ヤだ」
「ヤだって・・・望美ちゃんたちが呼びに来るよ?」
「じゃ、望美たちが呼びに来てからでいいもん」
もんって・・・一体何歳だと言いたいけど、可愛いなぁと思ってしまう。
「景時やらしい」
「へっ?!」
「手つき、いやらしい」
ため息をついて、掛け布団を頭からすっぽりと被る。
腰に回していた手を、の顔の方に持ってきてこちらを向かせ、額をあわせる。
太陽の光が差し込んできているとはいえ、やはり暗い中では何も見えないけど、そこに確かに体温を感じる。
その体温だけで心が休まっていく自分がいて、そんな自分を幸せだと思える。
がもぞもぞ身じろぐから、オレはもう一度手を腰へ。
「だからやらしいって。何で腰に手を回すの」
「が動くからでしょー?それにこの位置がいいの」
「前半はいいとして、後半どうよ」
オレは笑ってまぁいいじゃないと答えた。
そして啄ばむようにの瞼に口付ける。
は嫌がったけど、構わず唇を顔に降らしていった。
瞼、眉間、鼻筋と辿っていき、柔らかなの唇まで辿り着く。
暗闇とはとても言えない中途半端な暗がりで視線を絡ませ、接吻を交わす。
深く、甘い、口付け。
「ん・・・・」
が少し苦しそうに啼く。
唇を離すと、熱い熱を持った吐息が漏れる。
「朝から何してるの」
「だってが可愛い顔するから」
「・・・そういう(台詞言う)のってさ、ヒノエや弁慶みたい」
「うそっ!?心外だなぁー。以外には絶対言わないのに」
「てか不特定多数にいうもんじゃないし」
はオレの腕の中でしばらくじっとしていた。
「景時」
「ん?」
「・・・・・お腹減った」
「それじゃ、起きよっか?」
「うん」
が布団の中から顔を出す。
が、すぐに顔を顰める。
どうしたのかと聞くと、一言。
「寒い」
起きるはずだったのに、はまたオレにしがみ付いて布団の中へと逃れた。
それは痛みを伴って