「マスター、練習終わりましたよ」
「そ、お疲れ様」
僕に声をかけてくれる、僕のマスター。
目が悪いのか、眼鏡をして、髪の毛を上げている。
うなじが見えて、とてもドキドキさせられる。
夏とか冬とか、あまりマスターには関係ないみたいだ。
黄色のキャミソールが仕事着。
その上に何か着ている時は寒いんだ。
夏はそのままだし。
短いGパンをはいて、椅子に片足を乗せて、パソコンに向かう。
一日中パソコンを相手にしていれば、目も悪くなるよね。
マスターが本当は何の仕事をしているのか、実は知らない。
けれど、僕のマスターであることに変わりはないし、気にもならない。
「あ、そうだ。冷蔵庫にアイスあるよ」
「え?食べていいんですか?」
「はははっ、いいよ。言わなくても、見つけたら食べるだろう?」
パソコンに向かっていた体を椅子を回して、僕に視線をくれる。
笑顔。
僕の一番好きなマスターの表情。
仕方ないなっていう顔も好きだけど、やっぱりマスターには笑顔が似合う。
僕が返事をすると、満足そうにまたパソコンに向かう。
僕はマスターの首に後ろから抱きつく。
いつもの癖だ。
マスターと、僕しかいないときの。
「マスター、大好きです」
僕と彼女と主従関係
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果たして需要があるのか。
(20080222)