どうしてそんなにも僕を愛してくれないの
言の葉にするのは難しい。
だって、どう言えばいいのか、分からないから。
何時ものように口にしてしまえば、それは偽りとなってしまうから。
本当はもっともっと、大切に想っているのに。
それが伝わらない。
だから、君は俺を愛してはくれない。
俺はこんなに愛してるのに、君は絶対に俺を愛してくれない。
想い人が居るから?
違うだろう?
俺が、お前の昔の想い人に似てるからだろ?
皮肉だよな。
お前が俺を憎む瞳に恋したのに、愛されることなんて無いなんて。
そして、もう俺を憎むその瞳さえ、もう見れないなんて。
あんたは俺が今まで出逢った女の中で最高の女だ
居なかった。
還内府になったら、女っていうのはころっと変わるもんだ。
誰も彼もが、俺に媚売ってくる。
そんな女の中で、お前だけは違ったよな。
どんだけ俺が声かけても、表情一つ変えないで、仕事してた。
他の女たちは、無愛想とか、色々言うけどよ、俺は好きだった。
そういうお前のこと。
絶対に、俺に振り向かせてやるって決めた。
でも、お前って頑ななのな。
絶対に俺の誘いに乗ってこない。
それはそれで少し寂しかったけれどな(笑
まだまだこれからだって、思ってた。
やっぱりお前は最高の女だよ。
だってあんたは一度だってこんな(還内府である)俺に靡かない。
これから先、ずっと・・・・・・
あたしは貴方の心臓になりたかった
わたしに、人の命をあやつることまで出来ない。
だから、神子の哀しみとか、いやしてあげることも出来ない。
無力、だ。
神子に哀しい顔、してほしくない。
わたしだって、本当は泣きたい。
好きだったんだよ、あなたのこと。
神子のことよりも、好きだった。
でもそれは、言っちゃいけないこと。
神子、わたしはあなたの龍。
でもね、人であるわたしは、あなたの人じゃない。
涙が、零れてこない。
人の形しかしていないから。
でも、あなたは違うって言ってくれた。
あの時、わたしはあなたに恋をした。
ねぇ、もし、本当にわたしがあなたの心になれたら、
そうしたら、あなたと生きて、あなたと死ねるのに、ね
ずっと好きだったのに、そういうことを知らないまま、逝ってしまわないで
訳が分からなかった。
どうして、なんで。
どうしてあの子が逝っちゃうの?
ずっと一緒だったの。
何をするにも、側に居た。
それが当たり前だった。
親友。
いつからだろう?
親愛が、恋愛に変わっていったのは。
でも、それを伝えるだけの勇気は、私には無かった。
だってあの子は親友って思ってくれてるのに、それを裏切る形になりそうで。
だから、ずっと親友であり続けた。
ちょっとした仕草にドキドキしながら、私はあの子の「親友」だったんだ。
だから、最初耳が可笑しくなったって思った。
九郎さん?
弁慶さん?
景時さん?
嫌だよ、嫌だよ嫌だよ嫌だよ嫌だよ!
どうしてこうなるの?
ずっと、これからも一緒でしょ?
狡いよ、結局私だけが苦しいよ
伝えていれば、二人で苦しんだのにね。
君は君の全てを懸けて俺に愛を教えてくれた
愛するということに臆病になってたんだ。
頼朝様っていう大きな存在に、オレの大切なもの全て奪われてしまう気がして。
だから、もう作らないって決めた。
そんなオレの前に、君は現れたよね。
いつもオレの側に居てくれて、オレのこと好きって言ってくれて。
オレは何時も君の優しさに甘えていた。
自分にとって都合のいい君に、甘えていたんだ。
一生懸命にオレにたくさんのものを君はくれた。
それをちゃんと返さなかったオレ。
でも愛想尽きる事無く、君は側に居てくれた。
自分が好きで側に居るんだって言ってくれて。
どうして、そこまでオレに色々くれるのかって、思ったことなんて無かった。
考えようともしなかった。
だからだね。
きっと、罰が当たったんだ。
気付こうとしなかったから。
どうして君があれ程必死だったのか。
オレを愛してくれてた、
そんな君が誰より愛されたがってたこと、気付かなくてごめん
この手は何なら守れるの?
何が薬師だ。
今目の前で死にそうだった彼女さえ救えない。
大切な人を守れない。
一体僕は何をしているのだろう。
君の笑顔が、大切でした。
君の笑い声が、大切でした。今でも耳に残ってますよ。
君の熱が、大切でした。君と手を繋いだ時、君の体温を感じました。
君の涙が、大切でした。抱きしめたくなりましたが、それは僕の役目じゃなかったから。
君の全てが、大切でした。
嗚呼、どうして。
何度でも言ってやる。
何が薬師だ。
何が軍師だ。
大切なもの一つ、守れないなんて。
そんな肩書き、いらない。
だから、彼女を返してください。
愛されないと分かってます。
けれど、僕の世界に、彼女が必要なんです。
大切な全てを守れる力が欲しいの、このままじゃ何も残らない
もう、何も失いたくないから
せめて、君が生きていたこの世界を
みんなまで、いなくならないで
真っ暗だ。
ここ、どこなんだろう?
誰の気配もしない。
怖い。
怖いよ。
将臣?
望美?
弁慶さん?
敦盛?
譲?
九郎さん?
先生?
ヒノエ?
朔?
白龍?
景時さん?
厭だ、ひとりにしないで、せめて一緒に連れて行って
でも、何処に行ったの?
よく頑張ったわ、さあ、もうゆっくりお眠りなさい
涙で前がよく見えない。
彼が居なくなった時だって、これ程泣いたかしら?
可笑しいわね。
でも、止まろうとしないのよ。
望美が、ここに来て、取り乱した時、私は必死に宥めた。
この子が居なくなって哀しいのは、みんなだから。
一緒に、泣いたわ。
どうしようもない。
もうこの子の魂は、ここに居ないのだから。
この子が庭から呼ぶ声がする。
驚いて振り返るけれど、そこには誰も居ない。
今度は廊下から、こっちへ走ってくる。
足音とが聞こえる。
私の名を呼ぶ声も。
でも、やっぱり誰もいない。
当たり前なのに、今目の前で横になっているのだから。
ねぇ、笑って見せてよ。
何時もの、あの、明るい花の様な笑顔。
私、大好きだったのよ?
信じたくないだけ。
また、私の大好きな人が、私から遠いところへ行ってしまっただけ。
ごめんなさい、弱いわね私は。
あなたが守ったものは、今度はわたしたちが守り抜くわ
だから・・・・・・
君があんなに望んだ世界が、今、ここにあるよ
泣いては駄目だ。
泣いては、いけない、俺は。
冷徹とか、思われても仕方ない。
でも、駄目なんだ。
耳に残っているのは、お前と言い合いをした時の声。
一緒に笑いあった声。
どうしてだろうな。
楽しい想い出しか、浮かんでこない。
あんなに暖かかったお前が、どうしてこんなに冷たいんだろうな。
以前、俺の夢をお前に話したことがあったな。
力を貸すと、一緒にそんな国を作ろうと、誓い合ったな。
ほら、目を開けてみろ。
眩しいほどの、未来が待つ国だ。
お前と共に誓い合った、あの世界が今あるんだぞ。
なのに、君だけがいないね
体は居るのに、君はいないんだよね
君だけの幸せを祈れない僕は、君を愛していないのでしょうか
私は、泣くと言う事を知らなかった。
己が死んだ時は、泣くなど出来るはずもない。
この様な身になってからは、一度も涙を流していない。
それは、幸せなことなのだろうか。
あなたは違うと強く否定した。
泣くということは、決して悪いことではないと。
ならば、泣けない私は駄目なのだなというと、あなたはまた否定した。
私には分からなかった。
泣くということは、自然なことだから、いいも悪いもない。
あなたからそう教わった。
私は、初めて泣いた。
あなたが、居なくなってしまった。
愛しく思っていたのかもしれない。
いや、思っていた。
私に泣くことを教えてくれた、貴方を私は、確かに愛していた。
あなたが誰を愛していようと、構わなかった。
あなたが側で笑っていてくれるなら、私は何も望まなかった。
なのに、私は一体どうすればいい?
あなたを失った私は、一体どうすればいい?
君と僕で幸せになる方法は何処にもないのかな
−−−−−−−−−
何となく、不完全燃焼。
(20080207)